【HIGH END】アンプメーカーの最新動向。オンキヨーの最新CDプレーヤー/伊オーディア&仏アトールの最新アンプ
ミュンヘン・ハイエンドレポート、ここではPremium Audio Company傘下となったオンキヨーや、フランスのアトール、イタリアのオーディアなど、アンプを中心に展開するブランドの最新情報をお届けしよう。
オンキヨーはICONシリーズのCDプレーヤーを初披露
新たにPremium Audio Company傘下として再始動したオンキヨーは、今年のCESで発表されたセパレートアンプ「ICONシリーズ」を中心に披露。同じくPAC傘下にある米クリプシュ、独HECOブランドのスピーカーと組み合わせて展示されていた。

PACは、ミュンヘン・ハイエンドに毎年出ているわけではなく、数年に一度といった印象だが(少なくとも2024年は出展していなかった)、今年はオーディオビジュアルではなくステレオ再生に特化した展示を展開。ブースを見回しても「オンキヨー」の知名度はヨーロッパ市場においても高く、確かな存在感を持っていることを改めて感じさせてくれた。

また今後発売される新製品として、CDプレーヤーの「C-30」を先行展示。パワーアンプ「M-80」、ネットワーク対応プリアンプ「P-80」などと積み重ねて設置できるフルサイズモデルで、今年秋の正式発売を見込んでいる。Qobuzを始めとしたストリーミングが隆盛となる中でも、“趣味性のある” CD再生機に対する需要は引き続き高い、ということが改めて認識できた。

“Signatureモデル” を仕掛けるオーディア
イタリアのオーディアからは、同社フラグシップラインであるStrumentoシリーズのSignatureモデルを発表。プリアンプ「Strumento No1」、ステレオパワーアンプ「Strumento No4」、モノラルパワーアンプ「Strumento No8」の3モデルについて、Signatureバージョンが登場した。会場では、マーテンのスピーカー「MINGUS SEPTET Statement Edition」と組み合わせて、生き生きとした音楽再生で来場者を楽しませていた。
創業者のひとりであるマックス氏にSignatureモデルの進化点について尋ねると、「オーディアの基本技術を踏襲しながら、特性を高め、より音楽を深く楽しめるものとして考えました。コンデンサーにムンドルフ製パーツなど、より高品位なものを採用し、それに合わせて回路も最適化しています。電源も強化することで、出力を高めることもできました」とのこと。
いずれもフロントにゴールドのプレートが付与された特別モデルとなっている。

フラグシップ “400番台シリーズ” を刷新したアトール
フランスのアトールは、フラグシップとなる400番台シリーズを刷新したパワーアンプ「AM400 EVOLUTION」とプリアンプ「PR400 EVOLUTION」を発表した。アトールはメイド・イン・フランスにこだわるエレクトロニクスメーカーで、400番台シリーズでも5,000ユーロ程度と、比較的手頃な価格帯の製品を展開している。

特に「回路ノイズの削減」にこだわって設計されており、AM400 EVOLUTIONについてはカップリングコンデンサーのシールドを強化。またトロイダルトランスを1,015VAと強化したことに加えて電磁波シールドも再設計しており、170W(8Ω:既存モデルは160W)と出力も強化されている。一方のPRE400 EVOLTIONでは、デュアルモノ構造を採用し、チャンネルごとに独立したトロイダルトランスを搭載。RCA5系統にXLR2系統と豊富な入力も特徴で、オプションでDACボードを挿入できる。

アトールのラインナップは、すでに本国ではCDプレーヤー「CD400 EVOLUTION」プリメインアンプ「IN400 EVOLUTION」と順次刷新されており、プリ/パワーアンプの登場により「400 EVOLUTIONシリーズ」が完結となる。なお、このシリーズにはネットワークプレーヤーは用意されておらず、現状予定もないとのことだ。

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